大阪・関西万博出店
日本の誉「ふぐ」を世界へ

「大阪とらふぐの会」は、大阪・関西万博ヘルスケアパビリオンデモキッチンスペースに出展した。目玉となったのは、大阪とらふぐの会が長年磨いてきた「焼ふぐ」の提供。会場では老若男女、そして多国籍の来場者が次々と足を止め、焼き上がるふぐの香りに引き寄せられていった。「ふぐは知ってる。でも焼いたのは初めて」と、誰もがその味に酔いしれた。
特に印象深かったのは、海外から訪れた旅行業関係者たちの反応だ。あるヨーロッパの担当者は「ふぐに毒があるのは知っていたが、こうした免許制や日本ならではの管理体制は初耳」と驚いた表情を見せていた。

焼ふぐの奥深さと、
日本の食文化の再発見

今回の出展では、単にふぐを“試食”してもらうだけでなく、その背景にある文化や哲学まで伝えたいという想いがあった。「無料でふぐを食べてもらえる機会って、実はなかなかないんです。だからこそ、どこまで届くか挑戦したかった」。提供された焼きふぐは、もちろん会員制店舗で出す“本気の味”とはまた異なるものだ。それでも来場者からは「これだけでも十分美味しい」「もっと食べたい」という声が相次いだ。
「我々が店舗で日々追求しているふぐは、本当に誇るべきものだとあらためて自信になりました」と、澤原氏は語る。

次の舞台は「フジロック」

万博での手応えを得て、次なるチャレンジをすでに始めている。なんと、次の出展先は音楽フェス「フジロック」だ。そこで提供予定なのは、焼ふぐに加えて、とげ塩お結び、ふぐドック。
食材としてのふぐ、文化としてのふぐ、そして“人を惹きつける体験”としてのふぐ。大阪とらふぐの会は、これまでの高級料理の枠を超え、その魅力をより多くの人へと届けようとしている。